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宇宙科学や語学に関する本の紹介をしています。

読書記録:「謎解き 波と波浪の物理」

謎解き・津波と波浪の物理 波長と水深のふしぎな関係 (ブルーバックス)

謎解き・津波と波浪の物理 波長と水深のふしぎな関係 (ブルーバックス)

  • 作者:保坂直紀
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/07/24
  • メディア: Kindle版

会社でサーフィンを趣味でやってる人々がいるので、休憩の時などに海の波に関する話を聞いているうちに、海の波の理論について知っておきたくなったので読みました。

津波を説明するという目標がある本。津波(波長が長い)と、それ以外のふつうの波(波長が短い)の性質の違いを説明することを目標にしている。

著者のあとがきによると、東日本大震災のときの津波をきっかけにして津波の科学についての本を書きたいと思ったのが執筆のきっかけらしい。

海の波は、風によって生じる波や、水の表面張力によって生じる波がある。風が吹いていない場所でも、遠くで生じた波(うねり)が伝わってくることがある。うねりの波の速さは、波じたいが伝わる速さの半分で伝わってくる(群速度)。 「波のスピードがもっとも遅くなるのは、秒速23センチメートルである。」という豆知識が得られた。

サーフィンをしている人々に聞くと、良い波に乗るためには、「海底の地形」や「気圧配置」「季節」などが大事だったりするらしい。この本では風波やうねりを説明するときにサーフィンの写真が出ているものの、そういったスポーツに関する波の物理はあまり詳しくは触れられてなかった。マリンスポーツと海洋物理や流体物理の関連については、ほかの本も見たほうがいいと思った。

とはいえ、「謎解き 波と波浪の物理」は具体的でわかりやすかったので、著者のもうひとつの本(謎解き 海洋と大気の物理)のほうもそのうち読んでみたい。