読書記録:英文法の魅力(里中哲彦 著)
英文法について、105個という数多くの項目をとりあげて、それぞれ簡潔な解説をつけた本。
本書の内容
東京新聞・中日新聞の「英語の質問箱」というコーナーがあり、そこに2010年から2012年まで掲載されたコラムの内容をもとに加筆して作られたという。
本書は、狭い意味での英文法の解説書というよりは、いろいろな個別の単語の用法・用例についても書いてある。
英単語の由来を説明している場所もたくさんある。
日常生活で使いそうな単語をまとめて紹介しているところもあり、英会話の勉強に役立ちそうでもある。
たとえば、「パンの耳」の項目で、
パンの耳
パイの皮
卵の黄身、白身
など食品の英訳を一緒に紹介していたりする。
スパムメールという単語の由来も載っていた。
例文はどれも難しい単語を使っておらず、いずれも短い例文が採用されているので読みやすいと思う。
面白かった項目
本書の中から、いくつか参考になった項目を紹介。
45.「〜関係の仕事に就いています」とあいまいにしたい場合はどう言えばいいのですか?
「〜関係の仕事に就いています」は、I'm in ... と言えばいいでしょう。 ... I'm in international trade. 貿易関係です。I'm in advertising. 広告関係です。・・・
57.デパートなどの「紳士服コーナー」を英語ではどう表現するのですか?
デパートや、スーパーの売り場のことをわたしたち日本人は「コーナー」と言っていますが、英語では department という単語であらわします。corner は「曲がり角・片隅」で、まったくつうじません。・・・department の部分は、groceries section (食料品売り場)/cosmetics section(化粧品売り場)のように section (部門・セクション)を使うこともあります。・・・
70.「よろしくお願いします」場面に即した言い方を
・・・日本語には便利な言い回しがあたくさんありますが、英語にはそうした決まり文句はありません。なかでも「これからもよろしくお願いします」はその最たるものでしょう。ですから、英語にするときは状況に応じて表現を変えなくてはなりません。・・・
本書によれば、「よろしくお願いします」を英語に言い換えるにはいろいろな方法がある。
「またお会いできるのを楽しみにしています。I look for ward to seeing you again. 」
「今後ともおつきあいください。I hope to see more of you. 」
「連絡を取り合いましょう。Let's keep in touch.」
などなど、状況によって様々な訳し方を紹介している。
このような話が100個以上載っているので、英語の言い回しを覚えていきたい人にオススメできる本だと思う。
著者の蔵書
そんな著者はどんな勉強をしているのだろうか。
053.の「気づかない引用句」の内容から、
著者は
英語の場合は引用句辞典(dictionary of quotations)が豊富で、必要にせまられて、私も50冊ほどの引用句辞典をもっています。
とあった。辞典を50冊も持っているなんて、すごい。
著者について
著者は、コラムニスト・翻訳家。
本書のほかにも、英語に関する新書を数冊出されている。読んでみたい。
おすすめの読者
英語力をアップさせたい人。
日常会話のさまざまな表現を身につけたい人。
表現・例文集として、英語初心者から上級まで幅広くおすすめできる。
まとめ
英文法を学ぶときに、多くの人が疑問に思う項目について文化・語源・歴史などの関連から解説している。
105の項目それぞれが短く、例文もシンプルで理解しやすい。
いろいろなレベルの英語学習者に適している本。