読書記録:文系でもよくわかる 世界の仕組み(松原隆彦 著)
- 作者:松原 隆彦
- 発売日: 2019/02/16
- メディア: Kindle版
山と渓谷社。2019年に出版された。
姉妹書として、「文系でもよくわかる 日常の不思議」もある。
- 作者:松原 隆彦
- 発売日: 2020/07/17
- メディア: Kindle版
著者は宇宙論を研究する科学者。
本書の構成
51個のトピックについて、解説がついている。
目次は以下のページにリストになっている。
https://www.yamakei.co.jp/news/release/20190220.html
自分の興味がある問題が、本書内で取り上げられているかが確認できる。
著者が宇宙の研究者であるので、内容は、宇宙に関係するものが多い。星とか、相対性理論とか。
たとえば、本書の
時間は流れない
という章では、
現実に起きている出来事の流れと、私たちが意識している時間の流れは、必ずしも対応しない。
この例として、「野球」というスポーツを取り上げ、
野球で、ヒットを打った選手にインタビュアーが話を聞くと、バッターは「・・・球がカーブしたので、そこを狙って打ちました」などと説明をする。しかし、運動学的にはそんなことはあり得ない。・・・後付けで、人間の脳が理解しやすいように時間の流れを再構築しているということだ。
という感じで、物理学者として考えられる「時間」と、日常生活で使われている「時間」との違いについて解説がされる。
以上のような議論に関心のある方は、読んでみると面白いと思えるだろう。
本書のレベル感
次のような用語は、本書で特に説明なしに出てくる。
ニュートン力学。
電子。
相対性理論。量子論。
陽子。中性子。放射性同位体。
(ただし用語の意味を完全に知っている必要まではない。)
でも、用語にまったく馴染みがないと読み進みにくいかもしれない。
タイトルは「文系でもよくわかる」とある。
とはいえ、中学高校で物理・化学を全くやったことがない場合には、知らない用語がどんどん出てくるように感じるかもしれない。
ちなみにレビューしている私は理系出身なので、読むのに問題はなかった。
感想
各トピックが短く、トピックの最後に一行から三行ぐらいのまとめがある。これが結構便利。
会社で3分スピーチを命令されたりしたときのネタに使うと、わりと面白い話ができるように思う。
たとえば、「電波は体に悪い?」という問題に対して、
「(中略)・・・影響がないとは言えない。」
とかは、ポピュラーな話題であり、話題づくりに使えるかもしれない。
おすすめの読者
- 物理用語は数多く聞いたことがあり、数ページぐらいで読み切れる解説書を読みたいと思っている人。
まとめ
宇宙・星・相対論・量子論などの問題を、51個のトピックに分けて一般向けに解説した本。
各項目に数行のまとめがついている。
数式は出てこないので安心。
- 作者:松原 隆彦
- 発売日: 2019/02/16
- メディア: Kindle版